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Vol.14 減感作療法  

寒い日が続きますね。暖かい季節が早く来てほしいのですが、春風とともに来襲するスギ花粉はいただけません。(私もスギ花粉症です。)

昨年秋から、立て続けに学会があったり、その後は年末年始でごたごたして、代々木の森通信を半年近くお休みしてしまいました。その間、見に来てくれた方には、本当に申し訳ありませんでした。

今回は時節柄、スギ花粉症に関連したお話です。昨年、『予防』と『治療』の大まかな話をしましたが、アレルギー治療の一つである減感作療法についてもう少し詳しくお話しようと思います。当院でも、ハウスダストに加えスギの減感作療法を行うことにしました。

減感作療法自体は、かなり以前からある治療法です。アレルギーの原因(スギ花粉症の人にはスギ花粉)の成分を、微量からはじめ、徐々に増量しながら投与することで体を慣らし、過剰な免疫反応であるアレルギー症状を起こさなくするものです。投与方法は皮下注射で、一度の量は多くても0.5ml以下です。スケジュールは施設によって多少異なるかもしれませんが、週1〜2回のペースで3〜4ヶ月かけて維持量に持っていくことが多いと思います。その後は月に1度のペースで治療を最低3年間続けます。

最も根本的な治療法で、妊娠や授乳中でも支障なく、他の治療との併用も可能です。平成11年にスギの治療エキスが改良され、以前に比べ治療効果が格段に良くなり80%以上の人に有効というデータがあります。しかし、花粉症が完治するとは限りません。治療効果には個人差も大きく、ほとんど症状が出ないまでに改善する場合もあれば、花粉が多いと薬を必要とする場合もあります。それでも、症状が軽減し、必要な薬を少なく或いは短期間にすることはできるでしょう。また治療を中止してしばらくすると、症状が戻ってしまう場合もあり、3年で治療を中止せずに継続していくこともあります。症状に応じて、主治医と相談して治療計画を立ててください。

難点は、治療効果が現れるまで数ヶ月かかり、その後も効果を安定させるためには長期間継続して(一年中)通院が必要だということです。また花粉症の場合はシーズン中には開始しないほうが安全です。残念ながら今シーズンには間に合いませんね。また他の予防接種は、減感作療法後1週間は止めておいた方がよいでしょう。もう一つこの治療を行う上で注意しなければいけないのは、注射直後に起こるアナフィラキシーショックです。これはアレルギー反応が極度に強く起こった場合の症状で、全身がむくんだり、呼吸困難、血圧低下、意識消失、そして最悪は死に至ることもあるものです。治療が進むと慣れが生じて、体調が悪くても無理に治療をしてしまいがちです。体調を整えて治療に臨むように心がけ、風邪や寝不足など体調の悪い時は、主治医に話してよく相談してください。当院では急変に対処できるように、注射後15分は院内にいていただくようにしています。

余談ですが、口腔内に治療エキスを滴下する舌下減感作療法が現在治験中であり、近い将来に保険診療として受けられるようになるかもしれません。

まとめ

・     当院でもスギ花粉症の減感作療法をはじめました!

・     最も根本的な治療法で、挙児希望のある女性にもお勧めです。

・     根気の要る治療法ですが、頑張って継続しましょう。

・     治療に際しては、体調を整えて臨みましょう。

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