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内視鏡下副鼻腔手術を受ける患者様へ

内視鏡下副鼻腔手術を受ける患者様へ

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)は、鼻の周りの空洞(副鼻腔)に膿が溜まったりポリープのできる病気です。
軽症なら内服治療で良くなることが多いのですが、重症の場合やポリープがある場合は治りにくく、手術でポリープ切除して膿を出し、再び膿が溜まりにくくする必要があります。当院では安全に手術を施行するために、両側の場合には2日に分けて手術しています。

手術の方法

ガーゼに麻酔薬をしみこませたものを鼻の中に入れて表面麻酔をした後、鼻粘膜に麻酔薬を注射します。更に手術直前より、点滴で痛み止めの投与を開始します。
手術の操作は全て鼻の孔から、内視鏡で見ながら行いますので、術中は口で息をしてください。
ポリープは切除し、溜まっている膿は吸引除去します。副鼻腔入口の薄い隔壁を切除して広げ、術後の副鼻腔の排膿と換気を促します。最後に鼻にガーゼをつめます。
終了すれば、問題になるような出血がないか等確認し、感染対策の抗生剤点滴をします。
術前処置開始から術後処置終了まで、大体3時間かかります。

手術に際し起こりうること

出血
鼻粘膜は血管が豊富なので、思わぬ出血をすることがあります。血がサラサラになる薬を内服している方は、術前に内服中止をする場合がありますのでお知らせください。

薬アレルギー
麻酔薬や抗生剤に対するアレルギー反応で、ショックに陥ることがあります。以前に薬を使って気分が悪くなったことがあるような方は、お知らせください。

脳貧血
極度の緊張や、痛みを我慢し過ぎると、自律神経が刺激されて、気分が悪くなったり、血圧が下がって意識がなくなったりすることがあります。少しでもおかしい気がしたら、手術中でもすぐにお知らせください。

感染
種々の処置にもかかわらず細菌感染を起こすと、高熱が出たり、ひどい頭痛のすることがあります。ガーゼの早期抜去や、連日の抗生剤点滴などが必要かもしれません。

眼窩壁損傷
鼻と眼の間には、とても薄い壁しかありません。その壁に小さくても傷がつくと、眼窩内に出血して目の周りが青くなります。極稀に視力障害の可能性があります。

髄液漏
鼻腔の天井にあたる頭蓋底はとても薄く、そこに傷がつくと頭蓋内から髄液が流れて来ることがあります。その場合、安静にして感染による髄膜炎にならないような処置が必要です。

術後の経過

術後2,3日で、ガーゼを抜去します。その頃までは、頭や鼻、目の奥に鈍痛を感じたり、ガーゼの刺激で沢山の鼻水が出ることがあります。少量の出血は術後数日続きます。
手術すれば副鼻腔炎がなおるわけではありません。通常術後2~3ヶ月かかります。術後経過中には、小さなポリープができやすく、術後1ヶ月程度は毎週の、その後も2週毎の通院治療が必要です。
経過の長い方、特に喘息(過去・現在を含め)の方は、ポリープが再発しやすく、治療終了後も数ヶ月毎のチェックをお勧めします。鼻風邪をひいた時は特に要注意で、すぐに受診してください。

手術にかかる費用(3割負担の場合)

術前検査:診察料の他に¥5000程度(アレルギー検査もすると更に¥7000程度)
手術当日:重症度により¥40000~¥105000程度(片側につき)
(自費材料を使用すると更に+¥2000~4000程度)