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鼓膜形成術

鼓膜形成術を受ける患者さまへ

慢性穿孔性中耳炎の人は鼓膜に穿孔があるため、外から細菌が入って感染・耳漏を繰り返し、難聴になります。
鼓膜形成術では、耳前部の軟骨膜を採取し、それを用いて穿孔を閉鎖します。
手術により耳漏は停止しますが、難聴はその程度により完治しない場合もあります。
感染などにより手術で貼った筋膜が外れてしまうと、やり直しが必要になることがあります。

手術の方法

外耳道(耳の中)へ麻酔薬を注射します。また、手術直前より点滴で痛み止めの投与を開始します。
耳前部を切開して軟骨膜を採取します。鼓膜穿孔縁を下処理し、採取した軟骨膜を用いて鼓膜穿孔を覆い、生体のりで貼り付けます。生体のりは血液製剤ですが、加熱処理してあり使用量も微量の為、これが原因で感染症を起こすことはまず無いと考えています。
最後に耳前部を縫合します。
終了すれば、問題になるような出血がないか等確認し、感染対策の抗生剤点滴をします。
術前処置開始から術後処置終了まで、2~3時間かかります。

手術に際し起こりうること

出血
通常はほとんど問題になりませんが、血がサラサラになる薬を内服している方は、術前に内服中止をする場合がありますので、お知らせください。

薬アレルギー
麻酔薬や抗生剤に対するアレルギー反応で、ショックに陥ることがあります。以前に薬を使って気分が悪くなったことがあるような方は、お知らせください。

脳貧血
極度の緊張や、痛みを我慢し過ぎると、自律神経が刺激されて、気分が悪くなったり、血圧が下がって意識がなくなったりすることがあります。
少しでもおかしい気がしたら、手術中でもすぐにお知らせください。

術後の経過

術後2,3日で、感染がないか診察します。一週間後に耳前部の抜糸をします。
一週間は、感染防止のため、手術した耳の中に水が入らないように気をつけてください。強く鼻をかむことも避けてください。
一ヶ月間は、プールや海に入れません。飛行機や高い山、高速エレベーターなどの気圧変化もできれば避けてください。風邪をひいたら、すぐに診察を受けてください。
聴力はすぐには治らず、鼓膜がなじむまで数ヶ月かかることもあります。

手術に掛かる費用(3割負担の場合)

術前検査:診察料の他に¥5000程度
手術当日:¥59000程度