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先天性耳瘻孔摘出術

先天性耳瘻孔摘出術を受ける患者様へ

先天性耳瘻孔は耳のすぐ前にある小さな穴で、中が袋状になっています。袋から更に何本も細い管が出ているものもあります。約100人に1人と比較的頻度の高い先天性奇形の一種ですが、それと気づかずに過ごしている人も多いと思います。感染を起こさなければ治療の必要はありませんが、頻回に強い炎症を繰り返す場合や、炎症が強くはないものの慢性的に瘻孔よりくさい液が出るような場合は手術の適応となります。
炎症を繰り返していると癒着や瘢痕が強く、分岐した瘻管が分かりにくくなりますので、炎症のある場合は早めに手術することをお勧めします。ただし強い炎症のある時は手術できません。

手術の方法

瘻孔周囲に麻酔薬を注射することで局所麻酔します。また、手術直前より点滴で痛み止めの投与を開始します。
予め瘻孔より色素を注入しておきます。瘻孔周囲皮膚を切開し、瘻管に沿って周囲組織から剥離し摘出します。瘻孔以外に皮膚と癒着して剥離できないところがある場合は、その部分の皮膚も切除します。皮膚切開部を縫合します。
その際、傷の中に出てくる血液や浸出液を排泄するドレーン管を創内に留置し、さらに外側から圧迫します。ドレーン管は試験管に接続して耳周囲に固定します。
術前処置開始から術後処置終了まで、瘻孔の大きさにより1時間半~2時間半かかります。

手術に際し起こりうること

出血
通常はほとんど問題になりませんが、耳周囲には動脈もあり、かなり出血する場合もあります。血がサラサラになる薬を内服している方は、術前に内服中止をする場合がありますので、申し出てください。

薬アレルギー
麻酔薬や抗生剤に対するアレルギー反応で、ショックに陥ることがあります。以前に薬を使って気分が悪くなったことがあるような方は、申し出てください。

脳貧血
極度の緊張や痛みを我慢し過ぎると、自律神経が刺激されて気分が悪くなり血圧低下して意識がなくなることがあります。気になることがあれば、手術中でもすぐに申し出てください。

術後の経過

通常は手術翌日に管を抜去します。出血の多い場合は抜去時期を延長することもあります。術後2,3日は圧迫固定し、感染がないか診察します。4日~1週間後に抜糸をします。
感染防止のため、ドレーン管抜去までは創部を濡らさないようにし、2週間程度は創部を汚さないように気をつけてください。感染を起こすと周辺の皮膚が壊死(腐る)などし、傷が治るまで時間がかかり、傷が目立つようになることがあります。
細心の注意で手術を行いますが、まれに確認できない瘻管が残存し、炎症を再発することがあります。

手術にかかる費用(3割負担の場合)/h2>

術前検査:診察料の他に¥5000程度
手術当日:¥17000程度