突然発症する原因不明の難聴です。
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突然発症する原因不明の難聴です。
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・原因不明であることが定義のひとつですが、ウイルス感染説、血管障害説、自己免疫説、ストレス説、疲労説などがいわれています。
・原因の明らかな例(薬剤性難聴、音響外傷、ムンプス難聴など)は含めません。 |
・突然、“左右どちらかの耳の聞こえが悪くなる”、“耳の詰まった感じ”、“耳鳴りがする”ことで気付かれます。(難聴が出現した時の状況を、患者自身が覚えていることが多いです。)
・ほとんどが一側性です。難聴の程度はさまざまですが、高度であることが多いです。 ・3分の1は完治し、3分の1は回復するが難聴や耳鳴りが残り、3分の1は全く治らないと言われています。 ・ほとんどの例で耳鳴り、約半数にめまいを伴います。 ・難聴が極めて高度な場合、早期治療を行わなかった場合、めまいを伴う場合は、聴力の予後が不良であるといわれています。 ・運動麻痺、知覚神経麻痺は合併しません。 ・再発することはほぼありません。 |
・純音聴力検査(オージオグラム) にて聴力の検査を行います。
・専用の個室に入っていただき、ヘッドホンを装着し音が聴こえたらボタンを押す検査です。 ・検査時間は約10~20分です。 聴力検査の結果に特定の型はなく、水平型、谷型、低音障害型などさまざまな型がありえます。 ・めまいを伴う場合はめまいの検査を行います。 |
☆突発性難聴と診断された後に・・・
*低音障害型の感音難聴やめまいを繰り返し、メニエール病 *MRIなどの画像検査にて聴神経腫瘍と判明することがあります。 これらの症状は類似していて、初診時には鑑別できないこともあります。 いずれも早期治療が必要ですが、急性期の治療は突発性難聴と大きな変わりはありません。 |
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・早期の治療を開始した例ほど予後は良く、発症後2週間以内の治療開始が望ましいとされています。
・ステロイド(副腎皮質ホルモン)剤、ビタミン剤、血流改善剤、代謝促進剤の投与が一般的です。 ・重症な例に対しては、安静の上ステロイドの高用量点滴を行うことも多いです。 (当院では通院での点滴治療が可能です。) ・通院での点滴治療は、当院休診日を除いて基本的に連続6日間通院していただきます。 点滴投与前に全身状態を確認する為の採血や尿検査をさせていただきます。 *ステロイド剤を投与するにあたり、既往に糖尿病、胃潰瘍、緑内障、感染症をお持ちの方はそれらを悪化させてしまう危険性がありますので、 必ず医師にお伝えください。 上記疾患の主治医や専門医への確認や、入院の上治療が必要となる場合もあります。 ・聴力の改善状況を検査で確認しながら、ステロイド剤は徐々に減量していきます。 ・星状神経節ブロック(別紙参照)が有効との報告もあります。(主治医と相談の上、当院でも可能。)(抗凝固剤使用中は当院では不可。) ・初期ステロイド治療が無効であった例に対し、鼓室内ステロイド注入療法などが試みられています。(当院では不可) ・高酸素療法が有効との報告もありますが、可能な施設は限られます。(当院では不可) |
突発性難聴には、現段階で完全な予防方法は明らかになっていません。
しかし、内耳の循環不全が原因のひとつとも言われています。 ・安静にして充分に睡眠や休息をとり、ストレスを感じない生活を心がける。 ・栄養バランスの良い食事を摂る、極端に熱い入浴や長湯をしない、禁酒禁煙をする。 ・高血圧、高脂血症、糖尿病を指摘されている場合は、そちらの治療もしっかりと行う。 ・耳に大きな刺激を与えない。 ・処方された薬は、決められた量を確実に内服し、自己中断しない。 |